創作工房Factory8

Yellow5-Religion Factory
日本人の信仰心をめぐる旅
第6回 日本人のYAP因子と民族融合の神秘

第1章 Y染色体ハプログループとは?
 Y染色体ハプログループとは、父系遺伝によって受け継がれる遺伝子の系統を分類する手法であり、民族や地域の起源を探る強力なツールです。
その中でも日本人にとって特に重要なのが「YAP因子」の存在です。
YAP(Y Alu Polymorphism)とは?:
・ 遺伝的にごく限られた人々のみに見られる挿入配列
・ 世界的に極めて珍しい突然変異
・ 主にアフリカ、チベット、日本の一部にしか存在しない
・ とくに日本ではこのYAP因子を持つ系統はD系統(ハプログループD1b)に属します

第2章 YAP+とYAP−の民族的広がり

地  域
傾  向
YAP因子
ハプログループ
アイヌ人 高率で保有 YAP+ D1b
本土大和人 混在 YAP+ / YAP− D1b / O
沖縄人(ウチナーンチュ) 少ない 主にYAP− O系統
ユダヤ人(アシュケナジ系など)   主にYAP− E系統 or J系統(YAP−)

つまり:
・ YAP+:日本人(特にアイヌ)・チベット・アンダマン諸島などに限定される謎の系統
・ YAP−:ユダヤ人を含む西アジア〜中東系(O、J、Eなど)

第3章 YAP+はどこから来た?“失われた民族”との関係
 YAP+を持つD1b系統の祖先は、ユーラシア大陸のかなり早い段階(およそ3万年以上前)にチベット〜東アジアの山岳地帯を南下・東進したとされ、これがアイヌ系、または「縄文人」の祖先になったという説が有力です。

 一方、YAP−を持つ系統(O系やJ系)は、後に中国大陸や朝鮮半島を経由して日本列島に渡来した「弥生人」に対応し、大和民族の中心を構成します。

第4章 エドム人・イドマヤ人との関係 ― YAP+は“兄弟民族”の痕跡?
 日ユ同祖論の中では、イスラエル(ヤコブ)の兄であるエサウ(=エドム)の子孫である「エドム人・イドマヤ人」にも注目が集まっています。
もし仮に――
・ YAP−系=古代イスラエル10支族 → 弥生系と混ざって日本へ
・ YAP+系=エドムや先住アブラハム系の流れ → すでに日本に定住していた縄文系

という仮説が成り立つなら、日本とはまさに、旧約時代における「兄弟民族」の合流と和解の地だったとも読み解けるのです。

第5章 YAP因子と“民族の和”=日本的宗教観へ
 日本において、YAP+とYAP−が自然に融合して1つの民族になったように、宗教思想でも「一神と多神」「善と悪」「人と自然」という対立する概念を統合してきたのが日本文化の特徴です。

 この「統合」「融合」こそが、日本の宗教観・世界観の本質とも言えるのです。

まとめ:日本人は「神に選ばれた民族」ではなく「神の“和解”を実現した民族」かもしれない
 聖書には多くの「断絶」と「選び」「裁き」が描かれていますが、日本列島の歴史はむしろそれと逆の、「融合」「調和」「共存」に貫かれています。
・ 縄文(YAP+)と弥生(YAP−)の融合
・ 神道(八百万)と仏教・キリスト教(唯一神)の調和
・ 天皇を神格化せず、民と共にある存在として続けた政治体制

 日ユ同祖論を通して見えるのは、日本という国が、争いや差別ではなく、“和解の宗教”を体現する場所であったという可能性です。

 これはまさに、混沌とした現代世界が最も必要としている“信仰のかたち”なのかもしれません。


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